一般社団法人 日本ボッチャ協会

日本代表

【パリ2024特別企画】火ノ玉JAPANインタビュー #4:内田峻介(BC4)


いよいよ迫って来たパリ2024パラリンピック。ボッチャ日本代表「火ノ玉JAPAN」からは7名の選手の出場が内定しています。パリ2024パラリンピック火ノ玉JAPAN特別企画として、各選手のインタビューを通して、選手たちそれぞれのパーソナリティーに迫ります。


第4回となる今回は、2022年12月の世界選手権で見事優勝し、一躍世界のボッチャ界から注目され、マークされる存在となった内田峻介選手。ただ、その大会から1年後、パリ大会への大陸枠獲得に向けて重要な大会となったアジア・オセアニア選手権では、BC4資格なしのクラス分け判定を受け、苦しい時期もありました。しかし、今年に入りクラス分けにパスし、見事パリパラリンピックへの切符をゲット。個人戦でチームを勢いづける戦いを見せてくれるはずです。パリ2024大会には、火ノ玉JAPANキャプテンとして挑む内田選手のインタビューをどうぞ。




クラス判定での苦しい時期を乗り越え掴んだパリへの切符

ー まずは、日本代表入りおめでとうございます。

本当にこの半年間、苦しい時も嬉しい時も、いろいろ紆余曲折あったんですけど、無事にBC4の選手としてパリ大会に出場できるということに限らず、これからもボッチャが出来るんだなっていうので一安心しましたね。

  

ー 東京大会以降、ターニングポイントになった試合は?

僕にとってターニングポイントになった試合は、2022年の世界選手権(ブラジル・リオデジャネイロ)だと思っています。あの時の試合は、世界ランキングのポイントももうなくなっていて、ノーランカーという状況だったんです。そこが逆に自分にとってはよかったなというか、挑戦者として戦うしかなくて、自分のプレーを思いっきりするしかないというのがわかっていたので、そこがすごくうまくハマったというか。どんどん格上の選手を倒していくことが出来て、見事に優勝できたことで、世界と戦えるということもわかりましたし、自信にも繋がったので、そこはすごく自分にとって大きな大会だったなと思っています。


ー その大会でチャンピオンになった後、クラス分け判定で難しい時期もありましたが、どのように自分自身をコントロールしたのでしょうか?

クラス分けでクラスアウトになった大会は、2023年12月のアジア・オセアニア選手権だったのですが、突然の判定を受けて、本当に全てのことが真っ暗になったというか。そういう気持ちになって、なかなか練習へのモチベーションは上がらなくて、苦しい時期が続きました。それでも仲間の存在っていうのはすごく自分にとって大きかったです。その判定が下ったときもその直後に「苦しい時はいつでも連絡しておいで」とかすぐにLINEをくれたり、大会から帰ってきた後も「お前絶対ボッチャ続けろよ」とか、「お前絶対腐るなよ」とか、そういった言葉をかけてくれて、本当に気にかけてくれました。それで周りの人のために、支えてくれている人のためにボッチャを続けよう、諦めないでプレーしようっていう思いになりましたね。本当にその支えがなければ、BC4の選手として戦えるようになることがなかったと思うので、本当に感謝しかないですね。



出るか必殺「内田ファイヤー」

ー 内田選手には「自分のこのプレーを観てほしい!というプレーはありますか?

武器としているのがパワーを生かしたプレーというところで、ボールが密集した状況でもその状況を打開できる力があるので、そこはひとつ注目してほしいですね。あとは、結構ボールを動かして投げることも僕は多いので「ロビング」というボールに直接当てて剥がす技とか、「バウンド」といって前にボールが固まっていて邪魔になっていても浮かすことで(自分のボールを)寄せるという技も持っているので、そこもパリでは使っいきたいなと思っています。是非そこも注目していただければ嬉しいなと思います。あと、僕は多分上手く行ったとき吠えると思うので、その時はうまくいったんだなと思ってください(笑)。


ー 前回大会では「スギムライジング」というワードも出ましたが、今回内田選手はどうでしょう?

「ヒット(相手のボールに自分のボールを当てて弾く技)」を大阪体育大学生なりの言い方だと「ファイヤー」って言うんです。ファイヤーは散らすっていう意味なんですけど、「スギムライジング」ならぬ、「内田ファイヤー」(笑)。ヒットの時にバコーンって弾く時に「内田ファイヤー」と(笑)。


ー 内田選手のルーティンはありますか?

ホテルからバスまでの移動の時に音楽を聴くというのはルーティンにしてますね。前向きになれる歌詞をいつも聴いて、気持ちを高めてから試合に臨むっていうのをいつもルーティンにしています。あとは、成功のイメージというのをすごく僕は大事にしてるので、ウォーミングアップが終わる最後の1球は必ず自分の思い通りにいった投球で終わるというのはルーティンにしていますね。


ー 今大会は初めての総合国際大会ですね。

総合国際大会には出たことがないんです。出場したことがないので総合大会がどれだけ緊張するのかとか、普段の国際大会とどういうところが違うのかとかは、ちょっとわからないところもあるんですけど、そこは経験豊富な杉村選手だったりとか廣瀬選手に聞きながら、いろいろ準備はしています。


ー 目標を達成する上でのライバルは?

僕がボッチャを始めた時から目標にしている香港の選手(Yuk Wing Leung選手)なんですが、その選手はプレースタイルが結構自分に似てるんですよね、パワーもあって。その選手と決勝で戦えることを楽しみにしています。


ー パリ大会、競技以外で楽しみにしていることは?

パリパラリンピックは様々なスポーツが行われる総合大会なので、ボッチャ以外の選手と、また様々な国の選手といろんな交流が出来るのではないかなと思うので、そこが楽しみのひとつですね。ただ、英語は僕ちょっと苦手なんですよね。なのでいまは電子機器が発展してると思うので、そういう手段をうまく活用しながら交流出来たらなと思います。


ー パリでの髪型は?

髪色を変え始めたのも世界選手権の時ぐらいからで。最近はもう大会ごとに髪色とかを変えるようにしていますね。パリまでもちょっとまた変えるんじゃないかなって思うので、みなさん楽しみにしていてください(笑)。


(楽しみにしてていいんですね?)いいです!たぶん髪色変えてると思います。もしかしたら金髪でいくかもしれないですけど、それ以外の髪色になるかもしれないので、乞うご期待ですね。




内田選手はどんな人?

ー ここから少し内田選手のパーソナリティーに迫りたいと思います。まずは趣味について。

趣味は音楽を聴くことですね。国内大会の時にも国際大会の時にも、移動の時とかに結構聞いています。好きなアーティストはMrs. GREEN APPLEさんです。本当に前向きな歌詞がすごく良くて、緊張している時とかに聴くとすごく気持ちも高ぶって「最高!」っていう気持ちになれるので、試合前とかはMrs. GREEN APPLEさんの曲を聴くことが多いですね。


ー 好きな食べ物は?

好きな食べ物はお寿司ですね。海鮮が好きなんですけど、生ものが好きなのでお寿司はすごく好きですね。中でも好きなネタはタコですね。食感がめちゃくちゃ好きで、お寿司屋さんに行ってもタコは頼みますね。(タコが一番好きというのは珍しいと)結構周りからも言われるんですけど、小さい頃から「お前どんだけタコ好きやねん」って家族からも言われるほど、小さい頃から好きでしたね。


ー 海鮮が好きというのは地元が山口県というのも影響しているのでしょうか?

そうですね。山口県は魚が美味しいっていうのも有名だと思うので、それもあるかもしれないですね。フグも食べてるんでしょって思われるんですけど、なかなか金額も高いので頻繁に食べれるものではないですね。というか、ほとんど食べたことがないですね。笑


ー 尊敬する人物は?

僕は小さい頃からサッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手が大好きで、本当に今も尊敬している選手の一人です。まず容姿がすごくかっこいいところではあるんですけど、僕が尊敬しているところはメンタルで。「ここで決めてくるか」というところがボッチャの選手としても見習わないといけないところだと思っているので、すごく尊敬しています。今もう30代後半だと思うんですけど、あの肉体美を続けていて、今も変わらずプレーも最高なので衰え知らずだなっていうのはすごく感じますね。


ー 内田選手が人生を通して実現したいことは?

僕は今、大阪体育大学の教育学部4回生として学んでいるんですけど、昨年教育実習に行かせていただいて、ちょうど国際大会と重なる時期がちょっとあったんです。その時に児童たちが「絶対先生勝って来てね」とか、「絶対優勝して来てよ」ってすごい応援してくれたんです。そのチカラってすごく半端なくて、その時はポルトガルに行かせていただいて、個人戦は銀メダルでペア戦は銅メダルを獲得できたんですけど、帰って来た後も報告すると「嬉しい」って言ってくれて、「先生みたいになれたらいいな」ってすごく言ってくれて。その時くらいから、子どもたちにそう言ってもらえるとすごく嬉しいなと思い始めたので、これからもボッチャを通して、子どもたちに夢や希望をどんどん与えられたらいいなと思います。


ー ずばりパリでの目標は?

メダル獲得ですね。もちろん簡単なことではないと思いますけど、僕にとってキーワードになる言葉が「挑戦」という言葉です。その挑戦というのは様々な意味があって、自分自身に挑戦するだったり、対戦相手に挑戦する。その一球のプレーに挑戦する。さまざまあると思うんですけど、どれも大切なことだと思うので、「挑戦」というのを大切に戦っていきたいと思います。最終的には表彰台の真ん中しか目指していません!やっぱりそのためにはみなさんの応援がチカラになりますので、その応援をパリの地まで繋いでもらって、僕は暴れたいと思います!




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プロフィール

内田 峻介(うちだ・しゅんすけ)
生年月日:2002年8月20日
出身地:山口県
クラス:BC4
所属:大阪体育大学

過去の戦績

【国際大会】
BISFed 2019 Hong Kong Boccia World Open - 国際大会初出場
Rio de Janeiro 2022 World Boccia Championships - 優勝(個人・BC4男子)
Pavoa de Varzim 2023 World Boccia Cup - 2位(個人・BC4男子)/3位(BC4ペア)
【国内大会】
第23回日本ボッチャ選手権(2022) - 優勝(個人・BC4男子)
第24回日本ボッチャ選手権(2023) - 優勝(個人・BC4男子)
第25回日本ボッチャ選手権(2024) - 優勝(個人・BC4男子)

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    大会名
    開催場所パリ(フランス)
    大会日程2024年8月28日(水)〜9月8日(日) ※ボッチャ競技は8月29日(木)〜9月5日(木)

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